製造向けの基板設計の注意点

基板設計は、公園散歩のような簡単なことではなく、精度と時間が必要ですが、設計の段階で間違えたら大きな損になるかもしれません。ということで、そのリスクを避けるために、基板を製造に送る前に設計段階で実行すべき重要なチェックポイントを57項まとめました。

それでは一緒に見ていきましょう。

ガーバーデータデザインルール

一般設計チェック:

 

1. コンポーネントが正しい位置にあることを確認します。

2. 可能であれば、すべてのデバイスパッケージが検証済みのコンポーネントライブラリと一致していること、およびパッケージライブラリが最新であることを確認します。

3. 全てのコンポーネントのリードと接点がパッドに取り付けできることことを確認します。

4. 比較的に重い部品が基板の反りに影響を与える可能性があるかどうかを判断します。 PCBの反りや変形を最小限に抑えるために、比較的に重い部品はPCBの支点または側面の近くに取り付けましょう。

5. 部品と金属コーティングが接触しないようにしてください。この問題を回避できない場合は、製造元にお問い合わせください。

6. 基板を流動ハンダ付けする場合は、できる限り流動ハンダ付けするに最も適する部品パッケージを選択してください。

7. 長い部品を溶接する場合は、できるだけその部品を平にしてください。そして横置きには十分なスペースをあけることを心がけてください。

 

レジスト検査:

 

8. 製造元の意見に従って、BGAなどの特別な電子部品を載せているパッドがソルダーマスク層に正しく開口されていることを確認します。

9. ビアプラグインが、特にBGAコンポーネントが必要かどうかを判断します。

10. 9のビアが適切にオープンされることを確認します。

11. 基準マークが露出した銅または露出した線に接触していないことを確認します。

12.  IC、水晶発振器、および放熱用またはグランドシールド用の露出パッドがある他のデバイスがレジストの開口部とパッドに正確に取り付けできるかどうかを確認します。ハンダ付けされた部品は、ハンダブリッジを防ぐために適切なレジストのダム幅を持つべきです。

 

間隔と隙間:

 

13. メッキされた部品と放熱システムを備えた部品の下には、ショートになる可能性のある配線やビアがあってはいけません。

14. ネジやワッシャの近くに配線やビアがあってはいけません。

15. メッキされていないスルーホールの場合は、ホールの内側と周囲の銅との間に0.5 mm(20mils)以上の隙間を空けてください。

16. 配線と基板のアウトラインの間の距離は少なくとも3 mmを空けてください。

17. 内層の配線から基板のアウトラインまでの距離は、4 mm以上にしてください。

 

パッド配置:

 

18. 2つの対称パッドを持つSMD部品(特に0805以下のサイズ)では、パッドに接続されている配線がパッドの中心から対称に描かれることと配線が同じ太さであることを確認します。

19. 0805サイズ以下のSMD部品の場合、パッドに接続されている配線がパッド自体より太いかどうかを確認します。配線がパッドより太い場合は、パッドの近くに配線を細めにしてください。

20. 配線に繋がっているパッドに乗せられているSOIC, PLCC, QFP, SOTなどの部品がいつでも引き出しができることを確認します。

 

ビア:

 

21. リフローはんだ付けを使用する場合は、ビアをパッド上に配置しないでください(ビアとパッドの間の距離は0.5mm(20mil)を超えてはいけません)。

22. 基板が割れる原因となる可能性があるから、過度の電流を引き出すことを避けるために、ビアが互いに近すぎて配置されていないことを確認します。

23. ビアの直径が基板の厚さの10分の1以上であることを確認してください。

 

銅箔の流し込み:

 

24. トップとボトムに銅を大量に流し込む場合には、特別な要望がなかったら、グリッドパターンを使用するのがおすすめです。

25. 特に高周波設計の場合、copper islands (areas of dead copper) が取り除かれていることを確認します。

26. DRCを実行する前でも不適切な回路設計をチェックしてください。

 

シルクスクリーン:

 

27. 基板上の各コンポーネントの指定子が存在するかどうか、また配置されたラベルが正しいフットプリントを識別できるかどうかを確認します。

28. ピンの配置を確認し、ピン番号、極性、および向きが簡単に識別されるかどうかを確認します。

29. コネクタとスロットにラベルが正確に付けられているかどうかを確認します。

30. 製造元が希望のシルクのサイズと寸法を作れるかどうかを確認します。

31. シルクに静電防止、無線周波数などのラベルが表示されていることを確認します。

32. 文字を銅箔の露出部分やビアの近くに配置しないでください。

33. 文字を全部アウトライン内に入れてください。そして、Vカット、スロット、ドリルに影響されないようにしてください。

 

基準マーク:

 

34. 基準マークが正しく配置されていることを確認します。

35. 基準マークがシルクや配線と重ならないことを確認します。

36. 基準マークの背景が同じであることを確認し、基準マーク、特にパネル基準マークの中心から基板のアウトラインまでの距離が6 mm以上になることを確認します。

37. ピンの中心距離が0.5 mm未満のIC、および中心距離が0.8 mm(31ミル)未満のBGAデバイスの場合は、ローカルの基準マークをコンポーネントの隅に配置するようにします。

 

テストポイント:

 

38. さまざまな電流源のテストポイントが十分かどうかを判断します。

39. テストポイントのない回路がすでに検証済みであることを確認してください。

 

デザインルールチェッカー(DRC):

 

40. 利用可能であれば、選んだ製造元の仕様に従って自動デザインルールチェックを設定して実行し、ルール違反が報告された場合はそれを修正します。

41.  DRC規則が最新であり、選択された製造業者と一致していることを確認する。

 

製造データ:

 

42. PCBの厚み、層数、レジスト色、銅厚、および他の技術データが正しいことを確認し、それらを製造元に転送します。

43. レイヤーの名前が製造元のルールと一致していることを確認します。

44. 基板の積み重ね方、厚さ、および銅厚が正しいことを確認し、インピーダンス制御が必要かどうかを確認します。

45. ドリルファイルがExcellon形式であることを確認してください。

46. ドリルファイルが最新バージョンのデザインであることを確認します。

47. ドリルの数とサイズがドリルファイルと一致し、目盛りがGerberファイルと一致していることを確認します。

48. デザインに複数のドリルファイルが必要な場合は、それらのドリルファイルを製造元に全部渡したことを確認します。

49. 差し込まれるビアが識別できることと正確にラベル付けされていることを確認します。

50. Vカットやスロットを含むアウトラインがファイルに正しくエクスポートされていることを確認します。

51. 製造元が受付できるファイル形式を確認します。不明な点がある場合は製造元から提供されたマニュアルに従って、RS-274x形式でGerberファイル、Excellon形式でドリルファイルを出力してください。

52. RS-274Dフォーマットの場合は、対応するアパーチャファイルが含まれていることをおよび使っているソフトウェアは最新バージョンであることを確認してください。

53. Gerberファイルに異常なアパーチャや機能がないかどうかを確認し、それらが製造元と互換性があることを確認します。

54.  ガーバービューアでガーバーファイルが基板のデザインと一致するかどうかを確認します。

55. すべての回路層、はんだマスク、シルクスクリーン、アウトラインファイル、ドリルファイルなど、基板製造に必要なファイルが全部zipファイルに入れられたことを確認します。

56. 実装が希望の場合は、ピックアンドプレース座標ファイルがSMDコンポーネント用に提供されていることを確認してください。

57. テストが必要な場合は、それに必要なドキュメントと説明を提出してください。可能であれば表や図の形で提出してください。

 

以上は基板設計のチェックポイントです。このリストは完璧とは言えませんが、新人、アマチュア、デザイナーの基板設計に何らかの役に立てることを期待して作ったのです。基板設計に関するもっと詳しい情報をお探しの場合は基板製造や実装に必要なパラメーターと注意事項が乗ってある弊社のマニュアル(Design for Manufacture)をお使いください。一クリックで無料で電子コピーをダウンロード。

 

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