皆様、今回はOOEDO SAMURAI様のRoboMasterプロジェクトにはFusionのPCBAサービスを使用し、自作基板を完成したことは嬉しく紹介させていただきます。彼らのFusion PCBAサービスを使用した感想およびプロジェクトの委細についてはどうぞ以下の記事をご覧ください。
初見の方は、初めまして
第2回を見てくださった方は、お久しぶりですOOEDO SAMURAIです。
第3回である今回は、いつもとテイストが異なり、スポンサー様の紹介に加えより専門的・技術的な内容をお届けします。
というわけで、総合活動班所属の私から回路班にバトンタッチしようと思います!
こんにちは。
OOEDO SAMURAIのRoboMasterプロジェクトの回路班です。
このプロジェクトでは、さまざまなロボットを開発していますが、組み込み制御に用いている制御用ボードは公式の販売品ではなく、自作をしています。
この度、FusionPCB様にPCBAのスポンサーをしていただきました!この記事では、Kicadで基板の設計をしたあとにどうしてPCBAサービスを使用したのか、発注するまでの流れと、失敗した点、動作確認の話など基板周りの話をしていきたいと思います。
自作制御基板の開発からPCBAのサービス利用を決心した背景
OOEDO SAMURAIでは、自作の制御基板の名前をOOEDO Develop Board Version Xの略のODB Ver Xと呼んで使用しています。今のバージョンは4です。4からわかるようにチームとして4回ほど大きなリニューアルをしています。
現在のODB ver4基板(はんだ付け前)
使用している部品のパッケージのほとんどはDIPではなくSMD部品のためはんだづけの技術が必要になります。特にマイコンのパッケージであるLPQF64の0.5mmピッチとIMUのQFNの0.4mmピッチのはんだづけが鬼門になっておりはんだづけ不良が多発していました。
さらに、大型の練習会の当日に制御基板のIMUのデータが取得できなくなったり、直していたらパターンが剥がれたり、基板が燃えたりと回路班のメンバーに多大な精神的な負荷をかけてくれるいたずらっ子でした。
また、2022年度のシーズンでは大会直前にXT30コネクタの逆刺しで基板が燃えるという珍事件も起きてしまい基板の予備が完全になくなりました。いつも通りの遠征の練習会の1週間前あたりの出来事です。
基板が燃えるのもつらいですが、はんだづけをするのもつらい、予備がないのもつらいとつらいが折り重なってしまい(燃えた)基板を見るのも嫌になるほど追い詰められたのではんだづけの外注をすることにしました!今年度の全日本練習会の前の9月の時点で必要な基板が5枚のところ動く基板が6枚だったので実装サービスに出して動作確認済みの基板であれば量産しても大丈夫だろうというこで、実装サービスに外注することにしました。そこで使用させていただいたのがFusionPCBさんです。
実装サービスの品質に関してと感想
基板の発注方法は、こちらの記事が参考になると思います。
https://kohacraft.com/archives/201905301435.html
手で実装した基板と比べるとはんだづけの品質はとても綺麗で最高だぜ!ってなりました。
左が実装サービスを利用したもので右が手はんだのものです。やはり左の実装サービスを利用した方が綺麗ですね。手はんだの方はうっかりPHコネクタ(写真上側)を溶かしてしまっています…
細かく比較すると実装サービスを利用した基板の綺麗さがさらに良く分かります。
上の手はんだの方は水晶振動子や抵抗が曲がって付けられています(そのうえ付けるLEDのサイズを間違えて付けています)が、下の実装サービスを利用した基板は非常に綺麗に付けられています。
表面実装のピッチが小さいものに関しては、携帯のカメラやルーペ、フラックスなどを駆使してはんだづけが成功しているかどうかを判定する必要がありました。ただ、実装サービスに出すことではんだづけが綺麗になり、初回の電源投入時以外は携帯のカメラやルーペが活躍することもなく、はんだの量も以前よりも適量になったためいいことづくめだと思っています。
動作確認
マイコンにプログラムを書き込み、6Sリポバッテリーから給電して基板の動作確認を行いました。
電解コンやDCDCコンバータ周りの二つのLEDが電源の給電確認・降圧の確認用で、しっかり電源回路が動作していることが分かります。
画像下側の並んでいるLEDを点灯させる事でマイコンに正しくプログラムの書き込みが出来ていることが確認できました!
今回は上手く書き込みとプログラムの動作確認が出来ましたが、はんだづけの信用度が低い場合ははんだ不良なのかプログラムのミスなのか問題を切り離せないためデバッグにとても時間がかかっていました。実装サービスを利用した基板だと、はんだづけの信用度が高いためデバッグの効率が良さそうだと感じました。これからこの基板でロボットを動かすのが楽しみです!
こんな人におすすめ
手はんだで厳しいSMD部品を使用している基板や、部品が密集している基板を作っている、はんだづけが苦手、めんどうな方におすすめです。
基板の発注をする際の手間と予算が手はんだ用に比べて少し多くなりますが、運用用途の基板を作る際には是非実装サービスを使用してみてください!
Seeed Fusion PCBの基板実装サービスは以下のリンクからどうぞ!
1. https://www.seeedstudio.com/fusion_pcb.html
2. https://www.seeedstudio.com/pcb-assembly.html
Seeed Fusionは10年以上にわたってワンストップ電子ハードウェアサービスを提供し、専門知識と工学的洞察力を持ち、低コストでコンパクトなPCB組立を提供し、広範な付加サービスと能力を備えています。今すぐSeeed Fusion PCBAサービスを利用して、無料の組立設計審査と無料の機能テストを受けましょう。