高周波プリント基板は、いわゆる高周波信号の伝送(1GHz以上の周波数)に用いるプリント基板です。高周波プリント基板は非常に高価で、通常、1平方センチメートルあたり0.6ドルです。中空の溝を含むコア板と、接着剤によってコア板の表面に接着されたクラッド銅板で構造されます。 高周波プリント基板の材質 材質面では誘電率の低い(高周波損失が少ない)材料でできています。現在、 1GHz〜10GHzの製品に使用可能なFR-4が一般的ですが、セラミック基板(アルミナ)、テフロンなどマイクロ波やミリ波用の基材のものもあります。ここからは、高周波基板に使用される代表的な基板材質の特徴を述べます。 FR-4 FR-4はコストが非常に安いため、一部のアプリケーションにも使われることがあります、ガラエポ基板でおおよそ1GHz程度までは使用可能です。ただし、これより高い周波数や、あるいはシビアな特性が要求されるケースで採用されることは少なく、次に述べるテフロン基板が使用されます。 テフロン基板 高周波特性に特に優れ、高周波回路設計に適した基板として用いられています。特性の異なるテフロンを選ぶことで、周波数帯域と使用する電気機器の特性にあわせた高周波基板となります。基材が高価であるため、大量生産品には適していません。また、半導体の性能が向上したことでより安価なガラスエポキシ基板でも同等の性能が得られるようになったため、近年ではあまり用いられなくなっています。 セラミック基板 酸化アルミニウムに粘結材を混ぜあわせたグリーン・シートに、融点の高いタングステンやモリブデン等の金属材料を使って配線パターンを形成し、高温で焼成したプリント基板です。酸化アルミニウムを用いることから、アルミナ基板とも呼ばれます。 セラミック基板は、熱伝導率がエポキシ樹脂をはじめとするプラスチックに比較して、96%アルミナ素材の場合でも60倍程度と大きく、この放熱性の高さが着目されています。この高い放熱性に加えて、誘電率が安定しており誘電正接(tanδ)が低いので、高周波基板として使用した際の損失も低く押さえられることで、各種高周波回路への応用も実用化されています。ただし、FR-4やテフロン基板に比較して非常に高価であるため、その用途は産業用途の一部や航空宇宙分野などの一部の限られた分野で採用されることが多くなっています。 高周波プリント基板の特性 (1)周波数を高くすることの一つの目的は、信号を早く伝達することです。従って高周波回路においては信号の速度が重要です。誘電率εが低ければ低いほど、信号速度は速くなり、光速に近づくことが分かります。従って高周波の中でも周波数の高い帯域を扱う場合においては、誘電率εの低いプリント基板を扱うことが最適なことが分かります。 (2)高周波基板では、単位体積あたりに電力吸収することにより、信号の伝送損失がおこり熱に変化します。誘電正接は信号伝送の品質に影響し、従って、誘電正接が大きければ大きいほど吸収が大きくなり信号損失が大きくなり、反対に誘電正接が低ければ低いほど信号の損失が少なくなります。特に信号ラインを長く引くことが必要な場合はこの誘電正接を十分に加味して設計を行うことが必要となります。 (3)熱膨張係数は、熱と冷間の変化の不一致が銅箔の剥離を引き起こすので、できるだけ銅箔に近づけるべきです。 (4)吸水性が低いと誘電率および誘電損失に影響します。 (5)その他の耐熱性、耐薬品性、衝撃強度、剥離強度等も良好でなければなりません。 高周波プリント基板の故障現象 高周波基板の故障現象は、主に誘電率の不安定によって高周波回路の安定性に影響を与えるものです。 高周波信号には表皮効果(表皮効果とは、高周波の特徴の一つであり、プリント基板の配線部分に高周波電流を流したときにその導体の表面近くにだけ電流が集中する現象です。この表皮効果が発生すると導体の断面の一部しか電流が流れないので等価的に導体の抵抗が増加することになります。)があり、基板の誘電率の不安定は高周波信号損失、信号が弱くなり、周波数ドリフト、さらには振動を止めるなどの現象を引き起こし、 全体的な電気的性能は悪化します。 Seeed Studio Fusionは、高周波プリント基板製造を含めた高品質のプリント基板サービスを手ごろな価格で提供する中国のプロメーカーです。詳しくは「Advanced PCB」をご覧ください。サイトで気軽にパラメータを選択して、概算の見積もりはできます。
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